2009/09/18

東鳴子 その後に。

先般の旅館大沼でレスポンスアビリティの足立さんにお会いでき
生物多様性オフセットは抑止力になるのか?等、お話聞かせてもらいました。
さて25%削減の認識ですが、本日の足立さんのコラムがわかりやすいので転記クリップさせてもらいました。

》「25%削減の意味」
「2020年までに25%削減なんて本当にできるのか?」 鳩山新首相が首相就任前の先週に示した気候変動問題に関する強い決意は、一部産業界などに強い反対と疑念をもたらしています。 しかし、「可能かどうか」という問いを発すること自体が、そもそも間違っていると言わなければなりません。なぜなら2020年までに25%削減というのは、科学の予測に従った数値だからです。もっと正確に言えば、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、先進国は2020年までに1990年比で25~40%の削減が必要であり、25%という数値ですら科学的には最低限でしかないのです。 したがって、2020年までに25%削減というのは確実に達成しなくてはいけない目標、いえ目標というより社会が持続するための最低限の前提条件なのです。これが「選択肢」だと思っている方々は、残念ながら気候変動に対する認識が甘いと言わざるを得ません。 もちろん、今までの事業を続けながら25%削減するというのは、かなり困難を伴う場合もあるでしょう。しかしその場合は、「今までの事業をそのまま継続する」という前提自体が、もはや「間違っている」のかもしれません。25%削減することが前提であるということは、それを達成できない事業はもはや存続できない。厳しいことを言うようですが、そう考えた方が良いのかもしれません。 国民一人当たり数百万円の負担を強いられるという試算も発表されていますが、これもナンセンスだと思います。今までと同じ生活を続けようとしたら、たしかにそれだけの追加費用がかかるかもしれません。しかし、25%削減を前提にしたライフスタイルにシフトすれば、そんなに費用は必要ではないでしょう。それに結局私たちは、与えられた条件の中でなんとか暮らしていくしかないのです。 20世紀は石油という資源をベースにして産業が発展してきました。しかし石油資源は有限であり、また気候変動という地球規模の深刻な問題から考えても、この先永久に石油を使い続けることが出来ないのは明らかです。一方、生物資源であれば、うまく使えばこの先ほぼ永久に、持続的に利用することが出来ますし、気候変動の防止にも役立ちます。 そう考えると、これからの産業は、生物資源をベースとしたものに作り変えなければならないことは明らかです。つまり25%削減という目標設定によって、石油ベースの20世紀型産業から生物ベースの21世紀型産業への切り替えが、いよいよ本格化したのだと考えることができます。 だとすれば、「25%削減なんて不可能」とぼやいている場合ではありません。どうしたら25%、いや以上の削減が出来るのか。そのことを真剣に考えて、達成するための行動を今すぐ始めることが必要です。このシフトが出来るかどうかが、2025年に事業が継続しているかどうかの分かれ道なのです。 もちろん政治にも25%削減のための明確な道筋を示して欲しいと思いますが、同時に私たち自身が、25%削減を前提として全身全霊をささげて取り組む必要があります。そしてまさにこの産業と生活のパラダイムシフトのためにも、生物多様性や生態系サービスの保全、持続的利用という課題が、きわめて重要なものになるはずです。 25%削減することを目指すという宣言は、これまでの産業構造を根本的に見直す時が来たことを知らせる号砲であり、いよいよ「生物」の時代が来たということなのだと思います。             サステナビリティ・プランナー 足立直樹
※以上-サステナブルCSRレター2009/09/18(No.065)より転記

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