2012/06/13

読書メモ 白川静

歴史というものは常に将来を見ながら過去に戻る 歴史が始まった時に神話は生まれているんです。神話が歴史の前にあったんではありません。歴史が始まった時に我々がこれから展開しようとする歴史の根拠として我々はいかなる伝統をもつかというので逆に遡るのです。現在から過去に現在から未来にというふうに動く。現在は過去と未来とにはたらく。これが歴史の本当の姿であろうというふうに私は思うのです。

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禅宗などでも日本にやってくる。そうしますとその禅宗が一つの理論的な根拠となって茶室ができる茶の道というものができる華道というものもそれに伴って非常に洗練した美意識を持つものとなる それが生活様式のあらゆるもののなかに浸透しておる。

日本人ほど美意識において洗練されたものはない 日本人ほど美意識においてこれを生活様式の隅々にまでとりいれたものはないと言うておるんです。東洋の理念はとくに日本においてそれが生活化されるまでに普遍化されておりしかも美の極致であると言われるほどにその頂点を極めている そういう我が国の美意識 東洋的な精神の一つの極限として実現されているものであると私は考えております。 それを現在ある姿においてではなくて歴史的にどのようにしてそれが形成されどのようにしてそれが歴史化され一つの文化としての流れをもって今日迄及んだか そういうことを極めたい。

(桂東雑記)

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